コンポーネントの登録
このページは、すでにコンポーネントの基礎を読んでいることを前提にしています。初めてコンポーネントに触れる方は、まずそちらをお読みください。
Vue のコンポーネントをテンプレートで使用する時は、それがどこで実装されているかを Vue に知らせるため、「登録」を行う必要があります。コンポーネントの登録方法には、グローバルとローカルの 2 つがあります。
グローバル登録
開発中の Vue アプリケーションでグローバルにコンポーネントを利用できるようにするには、以下に示す .component()
メソッドを使用します:
js
import { createApp } from 'vue'
const app = createApp({})
app.component(
// 登録名
'MyComponent',
// 実装
{
/* ... */
}
)
SFC を使用する場合は、インポートした .vue
ファイルを登録します:
js
import MyComponent from './App.vue'
app.component('MyComponent', MyComponent)
.component()
メソッドはチェーンにできます:
js
app
.component('ComponentA', ComponentA)
.component('ComponentB', ComponentB)
.component('ComponentC', ComponentC)
グローバル登録したコンポーネントは、アプリケーション内の任意のコンポーネントのテンプレートで使用できます:
template
<!-- これはアプリ内のどのコンポーネントでも動作します -->
<ComponentA/>
<ComponentB/>
<ComponentC/>
これは、サブコンポーネントにも漏れなく適用されます。そのため、上の 3 つのコンポーネントはすべて 各コンポーネント内でも互いに 使える、ということになります。
ローカル登録
グローバル登録は便利な反面、以下に示すいくつかの欠点があります:
グローバル登録では、未使用のコンポーネントを削除してくれるビルドシステムの処理(いわゆる「ツリーシェイク」)が阻害されます。グローバル登録したコンポーネントは、最後までアプリのどこにも用いなかった場合でも、最終的なバンドルには含まれてしまいます。
グローバル登録では、大規模なアプリケーションでの依存関係の分かりやすさが低下します。グローバル登録では、子コンポーネントを使っている親コンポーネントから、子コンポーネントの実装部分を探し出すことが難しくなります。きわめて多くのグローバル変数が使われている状況と同じように、これは長期的な保守性に影響を与える可能性があります。
ローカルでの登録を利用すると、登録したコンポーネントを使えるスコープが現在のコンポーネントのみに限定されます。これによって依存関係が分かりやすくなり、ツリーシェイクが働きやすくなります。
SFC を <script setup>
と共に使用する場合、インポートしたコンポーネントを登録なしでローカルに使用できるようになります:
vue
<script setup>
import ComponentA from './ComponentA.vue'
</script>
<template>
<ComponentA />
</template>
<script setup>
を用いない場合は、以下のように components
オプションを使用する必要があります:
js
import ComponentA from './ComponentA.js'
export default {
components: {
ComponentA
},
setup() {
// ...
}
}
components
オブジェクトのプロパティそれぞれについて、キーがコンポーネントの登録名になります。そして、値にコンポーネントの実装が保持されます。上の例では ES2015 のプロパティの省略記法を使っていて、これは次の表記と等価です:
js
export default {
components: {
ComponentA: ComponentA
}
// ...
}
ただし、 ローカル登録されたコンポーネントが子孫のコンポーネントでも利用できるようにはならないことに注意してください。上の場合、ComponentA
は現在のコンポーネントのみで利用可能になり、その子や子孫のコンポーネントで利用可能になるわけではありません。
コンポーネント名での大文字・小文字の使い方
このガイドでは、コンポーネントを登録する際に PascalCase の名前を用いています。これは次の理由によります:
PascalCase の名前は JavaScript の識別子として有効です。そのため、JavaScript でコンポーネントをインポートしたり登録したりするのが容易になります。また、IDE のオートコンプリートも働きやすくなります。
テンプレートで
<PascalCase />
を用いると、これがネイティブの HTML 要素ではなく、Vue のコンポーネントであることがより明確になります。また、Vue コンポーネントとカスタム要素(Web コンポーネント)を区別することも可能になります。
このスタイルは、SFC や文字列テンプレートを合わせて使う時に推奨されるスタイルです。ただし、DOM 内テンプレート解析の注意点 で説明しているように、DOM 内テンプレートの中では PascalCase のタグが使えません。
幸いなことに、Vue は PascalCase で登録したコンポーネントから kebab-case 形式のタグへの解決をサポートしています。これにより、MyComponent
として登録したコンポーネントは、<MyComponent>
と <my-component>
のどちらを使ってもテンプレート内で参照できます。そのため、テンプレートの出どころに関わらず、JavaScript のコンポーネント登録のコードには同じものを用いることができます。